テレビアニメを見てからの視聴を推奨。というか先に映画見るとわけ分かりません(笑)
一言で言えば、「ファンサービスよし、キャラの見せ場よし、迫力あり、だけど結末に問題あり」そんな感じでした。
全体的に超展開と言われるような酷い破綻はありません。テレビアニメの続編と謳っているのに、
五人の魔法少女が揃っていたり、敵がナイトメアだったりと最初は戸惑いますが、
中盤まで見れば理由は分かります。
前半は、テレビ本編で友達としての絡みが薄かった杏子とさやかのイチャイチャっぷりや
シャルロッテ(ベベ)が味方になっていたり、ティロ・デュエットという新奥義が出たりと
ファンが妄想していた設定や、ネット上で騒がれていたネタを公式化したというあたり、
いい意味でファンサービスとして機能していたのではないでしょうか。
ファンサービスの一つのカテゴリーとなるかもしれませんが、
この
映画の最大の特徴はキャラの見せ場の作り方が上手いところです。
さやかとマミ、テレビ版で不遇だった二人が、この映画ではかなり美味しいポジションを与えられています。
ミステリアスで頼れるスーパーさやかちゃんと、ほむらを軽々と圧倒するボスポジションのマミさん、
この二人のファンだったら、見るしかない!そんな扱いでした。
一方で、ナイトメア退治で謎の歌を歌いだしたり、魔法少女の変身シーンの踊りに
MPを吸い取られそうになったりと滑り気味…いや、プエラ・マギ・ホーリー・クインテットも含め、
滑ってるだろ…という演出が多かったのも事実。
このあたり、全体の差引で面白かったと言える人と、滑り過ぎで見るのが苦痛という人と分かれると思います。
私は前者です…というのも映画の迫力やストーリーを楽しめたからです。
まず、劇場版の良さか、広大なスクリーンに映しだされるイヌカレー空間と梶原由紀の音楽が合わさり映画全体に迫力がありました。
特に中盤でほむらの秘密が明かされてからクライマックスへの盛り上がりは、なかなか見ごたえがあります。
(そのせいか家族連れで見て子供が泣いた等、苦情があるようですが笑)
このあたり、DVDでなくて公開中に見た方がいいという所以ですね。
肝心のお話の方もライマックスまで飽きさせない作りが見事でした。
芝居の裏側の無理のなさ、日常に綻びが少しづつ生じて、最終的に街が崩壊していシーンの
盛り上がりがとてもとても上手い。本当に落とすのが上手い虚淵氏。
ほむらがキュゥベエの企みを止めるシーンも、キュゥベエの企みに気付くタイミングがほむらと
自分でリンクしていたので、一人で盛り上がってました…。(「まどかを支配するつもりね!」に痺れた人は他にもいないだろうか)
はい、ここまでは、納得してもらえると思う…。