仮面ライダー

2014年04月17日 05:43
怪奇アクションからエンタメ溢れるヒーロー作品へ生まれ変わる変遷
 
話は城北大学の優秀な若手科学者でもあり優秀なオートレーサーとして名を馳せた本郷猛は、ある日世界征服を目指す悪の組織・ショッカーの部隊に襲撃され、飛蝗の能力を持つ改造人間にされてしまうが、脳改造の直前に恩師である緑川教授に救われた本郷は基地から脱出。
 
怪人蜘蛛男を相手に、本郷はベルトに風力を加えて飛蝗男に変身して蜘蛛男を撃退し、自らを“仮面ライダー"と名乗って、ショッカーとの闘いに突き進んでいく事から端を発します。
 
 
 
本作品が製作されたのは第2次怪獣ブーム到来時期で、東映がそれまでとは一線を画した斬新なヒーロー像を作ろうとして石ノ森章太郎氏に委託、勧善懲悪作劇に怪奇性を加えたアクションドラマとして製作されました。
 
等身大のヒーローは「月光仮面」等のように、ベースが人間になっているヒーローがそれまでにも数多く存在しますが、『改造された人間が主役』というのはおそらく本作品が最初だろうと思われます。
 
それが日本の特撮の歴史に新たなヒーロー像を打ち立てることになります。
 
 
 
当初はこの作品は『改造人間としての孤独と宿命』をベースに怪奇アクションドラマ路線として進む為に、比較的暗い路線で開始された。
 
番組タイトルも当初は「仮面ライダーホッパーキング」だったらしいが、長すぎるとの事で「仮面ライダー」になりました。
 
モチーフが飛蝗であるのも、昆虫は「自然を破壊する悪と闘うヒーローに相応しく、子供が馴染みやすい生き物」という理由のようです。
 
また、円谷のウルトラシリーズのような可愛らしい怪獣の造形と比べてショッカーに出てくる怪人は妙に生々しいが、それは原作者の石ノ森氏が「異形のヒーローが悪から得た力を基にして一人正体を隠して戦う」という当時としては斬新だったコンセプトを掲げていたからです。
 
 
 
だが当時のスタジオには撮影用の平台が一つあるのみで、バラック建ての建物は雨が降ると反響音によってアフレコも出来ないという、撮影技術と設備が豊富な現在からは想像も付かない何とも見窄らしく劣悪な状況だったそうだ。
 
又、当初は怪奇性が強調されたばかりか、主人公が一人戦う宿命を背負うというハードなサスペンスものだったのが子供達に受けず視聴率も悪く、本郷役の藤岡弘、氏が撮影中にオートバイで転倒し、重傷を負って撮影に参加出来なくなった事が更にこの作品の風当たりを悪くしていた(その為に数話に渡り納谷六朗氏が吹き替えていた)。
 
当初はスーツアクターなど居らず藤岡氏本人がスーツを着て殺陣や立ち回りを演じていた為に番組製作がこれでか可也危ぶまれたが、この事件が仮面ライダーを世間に流行らせる最初の切っ掛けに成ります。
 
 
 
14話以降の設定では「本郷猛はヨーロッパでのショッカーとの戦いに赴き、日本には新しい仮面ライダーが登場する」という形になり、新主人公・一文字隼人役に佐々木剛氏が抜擢され、「藤岡が復帰するまでの代理として出る」という条件の元に佐々木氏はこれを承諾。
 
またこの主役交代を機に当初予定されていた怪奇アクション路線はなりを潜め、シリアスな作風からライトでコミカルな作風へと変わっていきます。
 
 
 
又「仮面ライダー専用の変身ポーズを設けた」事も一番大きな変化でした。
 
当時大型二輪免許を持っていなかった佐々木氏への苦肉の策であったにも関わらず全国の子供たちが一斉に真似をし始め社会現象と呼ばれるレベルにまで達した程です。
 
私はおもちゃをコレクションしてます!!